合鴨水稲同時作(合鴨農法)って何



「合鴨農法」とは?

 電気柵で囲った水田に合鴨を放し飼いにすることによって、雑草と害虫の駆除、さらには肥料成分の供給と中耕などを行わせるもので、水田から引き上げた合鴨の肥育によって食肉資源の確保も図ることができる画期的な農法です。稲作と畜産を結合させることから「合鴨水稲同時作」とも呼ばれています。
 この農法は、いま世界の潮流となっている低投入・持続的農業、農林水産省が進める環境保全型農業、北海道の進める環境調和型農業(クリーン農業)へ寄与するものと言えます。また、消費者の求める安全・安心な農産物の供給という面でも貢献しています。日本だけでなく中国、韓国、ベトナム、カンボジア、ラオス、フィリピンなどアジアを中心に普及しており、環境にやさしく、農業の持続的発展を目指すうえで世界中で注目されています。

合鴨水稲同時作の世界──「一鳥万宝の世界」──

 合鴨水稲同時作とは具体的にどんなものかと言いますと、稲の生育に合鴨が与える6つの効果(@雑草防除効果、A害虫防除効果、B養分供給効果、C中耕濁水効果、Dジャンボタニシ防除効果、E稲に刺激を与える効果)、水田が合鴨に与える効果3つの効果(@雑草・害虫、水棲生物といったエサの供給、A豊富な水と生活の場の提供、B合鴨の隠れ場としての稲の葉陰)があります。これまで、稲の生育を妨げる雑草や害虫は除草剤や殺虫剤等の化学薬品で対応してきました。しかし、ここにいったん合鴨を放飼すると、雑草・害虫は合鴨のエサとなります。そして、無農薬・無化学肥料でも収量を減らすことなく、しかもこれまで有機農業による稲作の隘路となっていた除草の問題を大きく開眼するものです。
 このような合鴨と稲と水田の関係は「一鳥万宝の世界」とも言われます。この世界は、これまでの自然に対する考え方(雑草・害虫=稲の生育を妨げる害生物)から、正反対(雑草・害虫=稲の生育を助ける役割を果たす)に捉えた世界です。この逆転の発想が合鴨水稲同時作(合鴨農法)のおもしろいところであり、世界的にも広がりをみせている要因でもあるのです。

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